
「枯れてもうダメかと思ってたら
先日の雨で蘇りました。来ませんか?」
と言う電話をもらった。
「小屋」から車で北へ15分。
太陽が山陰に入った頃 いそいそと出かけた。

町から山奥にやってきて40年のKさん。
広い敷地に 少しずつ花を育てたら
いつの間にか 素晴らしい花の庭になった。
庭の中を車が走れる土の道がある。

花に薬を撒いたりしない。
草を引いたり 水をやったりだけの花々は
雨がもたらした水をたっぷりと吸い
久しぶりの 汗のかかない涼しい日に
輝いている。

40年前に植えた
樅の木 橅の木 アメリカ楓の木々が見上げる程に育ち
夏野菜の畑 ベリーの木に実がたわわだった。
家を取り巻く 花も木も 40年の間に出来上がった
頑張らない花園だ。
足を止めながら ぐるぐると周り
あっという間に一時間が経った。
帰りの車で私の頭に浮かんだのは
「強い主張をしない庭」
勿論 褒め言葉だ。