お花見 藤野千夜氏の小説

図書館の裏の桜 8日
図書館の裏の桜 8日

 

私の住んでいる市は 川に沿って桜の木が長く続く。

その殆どが ソメイヨシノだ。

淡くて 薄いピンクの花びらが群れて美しい。

毎年 その桜を見ようと思うが 見逃す時もある。

今年は 小雨の夕方

図書館の返却ポストに返本もあり 桜を見に出かけた。

 

川向こうに横たわる 比良山系の頂き近くは

白い靄に包まれて 小雨の中の花見となった。

木のベンチに座る事も コンビニコーヒー

今年はなく 傘をさし早々と車に引き返した。

 

「じい 散歩」藤野千夜著を読んで

面白く 興味を持った。

その後 「編集ども集まれ」「彼女の部屋」

団地のふたり」「D菩薩峠漫研夏合宿」

と 続けて4冊図書館から借りた。

 

・元気な90近い爺の家族の話。

藤野千夜さんを投影した小笹が笹子になるまでの話。

・短編集で 5話からなる小説の最後の作に 

 凄みを感じた話。

・50年近く前に建てられた公団住宅

 50年近く住んでいる女友達二人の話。

・男子中高進学校の 漫画研究クラブの夏合宿でのBL。

 最終章は映画「スタンド バイ ミー」を思わせた。

 

そのどれを読んでも 最後にしみじみとした。

人間への鋭い観察力 表現力 凄み。

芥川賞を取った時 細い綺麗な藤野氏は

今は立派な体躯をしているのを 写真で知る。

トランスジェンダーでもある 

藤野氏の本はまだまだある。

好き嫌いが分かれる作家かも知れない。

私は途中下車しながら 読んでみようと思う。