小さな希望

 

数日前 「小屋」のすぐ近くの所だが

初めて歩いてみた。

市バスが走っている県道から

山に向かってまっすぐの坂道。

そこは 道の両側は棚田で 

山の中だが 珍しく視界が広がっていた。

空が広い。

 

坂道を上ると 田んぼに山の水が張られ 

そこは池の様になっていた。

バタバタっと10数羽の黒い渡り鳥が飛び立ち

次の田んぼも その上の段の田んぼからも

バタバタっと大きな羽音を立てて 渡り鳥が飛び立った。

 

まだ 春には遠い 枯葉色の広い世界。

春一番に咲く 水色の花オオイヌノフグリさえ

まだ咲いていない。

 

帰り道から見た 向かいの山の稜線がいつもより低く感じ 

後1ヶ月もすれば あの山に白い拳の花が

そして 山桜の淡いピンクの花が咲くだろう。

小さな希望だ。

 

今日も冷たいシャワーの様な雨が 間隔をおいて降った。