青いみかん

図書館の裏から
図書館の裏から

 

図書館の裏の川堤からの眺めは

誰彼に自慢したい。

 

目の前に 比良山系の北側が横たわり

台風や大雨でもない限り

川は穏やかに流れている。

 

私の住む谷筋は 空は狭いが

この辺りは 広々とした空だ。

私が「ミッドタウン」と呼んでいる

村の中心地は 国道に沿って

田畑や山の端に家が点在している。

人口は数千人の小さな村には

立派すぎる図書館がある。

 

2、3年前まで 図書館に来れば

LAWSONでコーヒーとドーナツを買い

堤の桜の下の 木のベンチに腰をかけ

目の前の山や川を眺めた。

 

二日前 家を出る時

カバンに青いみかんを2個 放り込んだ。

そして 久しぶりに堤に出て

桜の木の下の 木のベンチに座り

みかんを食べた。

秋の初めの 青いみかん。

皮を剥くと いい香りがした。

 

目の前の山の上を

青い空に白い雲の群れが

走るように流れていく。

 

しばらく続くだろう青空が

とても大事に思える。