カガノアザミ
立冬
なんと早い季節の移行だったのか。
落ち着かない世情に振舞わされ続けた。
周りを見渡せば
濃い緑の杉の人工林
その上に 紅葉(こうよう)の広葉樹
そして
明るい青の空。
トンビの親子が 輪を描く。
下を見れば
茶や黄に色づいた落ち葉が
厚く重なって 歩く靴の下が柔らかい。
川岸に遅れて咲いた カガノアザミが
風が吹くたびに ゆらりゆらりと揺れる。
いかにも 秋の終わりの風情だ。
でも
淡いピンクの糸の様な花に
さわれば怪我をしそうな棘の葉が
「そう 私は薊ですよ」と主張している。