![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s979b638e9451d968/image/i2438b9cab36c5369/version/1627256121/image.jpg)
懐かしい花森安治のフリーハンドの字。
私の20代の頃から ずっと家にあった。
地味な織の写真の ハードカバーの装丁。
中に紹介されている 201ものお惣菜も
地味な 当時の母の味。
「大根ととりだんごの煮込み」
「イカと竹輪の油炒め」
若い私には なんとも魅力のない料理本だった。
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そんな私が 数日前に
ぱらりとめくったページに載っていた文。
『「なすとかぼちゃのいため煮」
なすとかぼちゃを油でいため
とろけるほどに煮ました。
なんでもないおかずですが
こういうものが一つあると
食卓がおちつくものです。』
なんでもないが 食卓が落ち着くおかず。
この本が出版された半世紀前
電子レンジもなく 出汁も昆布や鰹節で。
家にいる「母さん」が 食事の支度に
十分に時間をかけていた時代だ。
今日 私は
「なすとかぼちゃの炒め煮」を作った。
電子レンジでチンしたカボチャと
乱切りにしたナスを炒め
粉末出汁を使い 砂糖を使わず
醤油だけで美味しく炊いた。
半世紀前の料理本は 基本を教え
私はそれをアレンジしながら
「食卓が落ち着くおかず」を作る。
この本を大事にしたい。