ザムザとムカデ

Google画像より   八木一夫作 「ザムザ氏の散歩」
Google画像より 八木一夫作 「ザムザ氏の散歩」

 

半月ほど前の深夜

眠っている時に 目の辺りに違和感を感じた。

手のひらで払うと 何者かがTシャツの中 

胸のあたりで動いている。

襟を掴んで中を覗くと

ムカデが胸の上でくねくねと

蠢いているではないか!

 

「ギャー」

叫び声と同時に無意識に

ムカデを床に投げつけていた。

 

靴の底で叩いて殺した。

 

それから たびたび

大きいのやら 小さいのやらが

出没し その度に薪や靴で殺した。

そして

殺虫剤を床の周りに吹きつけた。

 

カフカの「化身」で

朝目覚めると巨大な虫になっていた

ザムザ氏。

 

何も知らない父親から 気味が悪いと物を投げられ

それで 心も体も 傷つく。

 

息子の部屋のドアを開けると

巨大な虫が這い寄ってくる。

父親もどんなに驚いた事だろう。

 

ムカデを薪や靴で叩きながら

虫になってしまった ザムザ氏が

頭に浮かんだ。

 

今年は山の中にムカデが多いと

山仕事をしている「弟君」が言った。

私もこんな経験は初めてだ。

 

Amazonで白の布団カバーと

白のベッドカバーを買った。

ムカデがいるとすぐわかる様に。

 

早く平穏な日常が戻ってく欲しい。