木苺の夢

 

夕方

歩きながら摘み取った木苺を

パラパラっと 琺瑯の皿に放った時の

その姿の美しさを 写真に撮った。

 

手のひらに載せ 持ち帰った木苺は

それだけで 傷みそうな程繊細だ。

 

ガラスの瓶にそれを入れ

冷凍庫のドアを閉める。

 

ジャムになるまでの間

冷たく暗い冷凍庫で

山桑や木苺 黒すぐりの実は

どんな夢を見るのだろう。

 

鳥と分かち合う木苺の実。

それは 

鳥との思い出を語るようだ。