おねだり上手のヤマガラ

 

朝の10時ごろ

胡桃が載ったココアクッキーを齧りながら

小屋のそばで 灰色の空を見上げていた。

冬より寒い春に 

恨んだ目をしていたかも知れない。

 

カーキ色のくたびれたジャケットを着て

冷たい風が首から入り込まない様に

ジッパーをしっかりと上げた。

 

 人懐こくて 

レンガ色のベスト 黒のジャケットを着た風体の

ヤマガラがやって来た。

 

ドアの上の梁や柱 木の壁に止まり

首を傾けて こちらを見たりと

忙しなく 動くのは

このクッキーの胡桃が欲しいのだね。

 

ドアのそばのポストの上に

胡桃のかけらを載せた。

 

人懐こいヤマガラは おねだりも上手。

こんな野鳥には初めて会った。