灰色の空の下

 

まるで

考えて立っているかの様に

幹を 程よく曲げ

枝を捩っている柿の木達。

 

北から吹雪いた雪を受け止める。

 

灰色の空の下

何かを話しているように立っている。

それは 私の心に届くのだ。

 

立ち止まった私は 腕を組み

枝を抜ける風の声を聴く。

 

灰色の日は低い声で

空色の空の日は 軽やかな声で

私に話しかける風の声。

 

そして 私は応えるのだ。

「やあ やあ!」