曇り日の夕刻

 

柿の小さな実を守っている

柔らかな葉っぱを

齧ったのは誰だ?

 

親指の爪くらいの 小さな実。

 

木の下に入ると

若い緑の葉っぱに

すっぽりと覆われる。

 

木漏れ日がキラキラ。

風がそよそよと吹くと

その輝きが揺れる。

 

川の流れる音

頭上から届く トンビの鳴き声。

空気を引き裂くように

ヒヨドリの高い声も。

 

遠くから近づいて来る 車のエンジン音。

 

長閑な 曇り日の夕刻だ。