帰って来た杉 檜

 

カンナをかければ 立派な建築材として

もう一度使える杉や檜の廃材が

2トンのダンプで

時々 うちに運ばれてくる。

 

それに残された釘は

四角の古い手作りだ。

釘抜きで丁寧に抜き

「取っておこう」

 

大きく古い家の面影を残す

渋い色の丹を塗った柱や梁。

 

よく乾いた立派な廃材を

チェーンソーで切り

薪棚に積んでいく。

 

もう4月なのに

朝晩はストーブに薪を燃やす。

幾つもの薪棚に 豊かに積まれた薪。

気兼ねなく 燃やせる贅沢。

 

この村のどこかで切り出され

家の形を作り

そして 長い年月の後

この村のここに 帰って来た杉 檜。

 

Homecoming!

山と積まれたそれらは

まるでオデッセーの帰還の様だ。