一滴の伏流水

 

艶やかな緑の羊歯(シダ)と

細かで柔らかい苔。

 

地下を流れる伏流水で命を繋ぎ

杉の木陰でひっそりと 何も言わない。

 

コロコロと言う音で

あたりを見回すと

緑の崖から 流れ出す清らかな伏流水。

軽やかな音を奏でる マリンバの様だ。

 

この水が川に注ぎ

琵琶湖に流れ

そして 海へとたどり着く。

 

 

例えば 

渡り鳥の正確な飛行

太平洋の中の 一滴の伏流水

遠くの砂漠から 遥々やってくる黄砂。

 

それらが壮大な自然の旅だと思っても

暗黒の宇宙から見れば

水の惑星のちっぽけな出来事だ。