逆さまの風景

木の枝にくっ付いた

雨の雫の向こうに

逆さまの風景。

 

そうっと近寄り

息を止め

雫の向こうの世界を見る。

 

この水滴の中を

鳥が飛び 木々が揺れる。

 

風が吹けば

儚く壊れてしまう

水の中の小さな世界。

 

私はそろりそろりと後ずさり。

そして

自分の小さな世界の

扉を開けよう。