20余年経ってやって来た感動

松本路子写真集より マリソル(MARISOL)
松本路子写真集より マリソル(MARISOL)

 

以前はそんなにいいと思わなかったのに

今はとても好きだと言うもの。

誰にもこんな経験があると思う。

 

ある本を探している時

本棚の積み重なった本の間から見つけた

1995年の展覧会の作品集「MARISOL」

 

探すべき本はどうでもよくなり

私はマリソルの作品集に釘付けになった。

 

展覧会で見た時

そんなに感動もしなかったのに。

 

 

1995年 マリソル展覧会作品集より 「かもしかのいるジョージア・オキーフの肖像」  マリソル作 1980年
1995年 マリソル展覧会作品集より 「かもしかのいるジョージア・オキーフの肖像」  マリソル作 1980年

 

1986年に98才で亡くなるまで

アメリカ ニューメキシコの荒野で

絵の制作を続けたジョージア・オキーフ

 

その濃密で頑固、寡黙なオキーフの生涯を

こんなにも的確に表現した作品があるだろうか。

 

古い柱に彫られたオキーフ。

それを石の上に据えて

杖を携え

はにかんだ様に微笑み

私を見ている。

 

20余年経ってやって来た感動。

しばし この作品集を側に置き

朝に夕にページをめくろう。