「アジュガです」

アジュガ
アジュガ

「ああ、驚いた」

春の花は突然花開く様な気がする。

 

昨日も歩いた道のそばに

淡い紫の花の群生。

 

暖かい陽の光を浴びて

背筋を伸ばす。

 

淡い紫の衣をまとい

静かに並んで私を見ている。

 

お喋りは似合わない。

 

「名前は?」と尋ねると

小さな声だけどハッキリと

アジュガです」と答えた。