ぬくぬくのネコヤナギ

 

どんなに風が吹いたって

冷たい雨が降ったって

「ほら

 ぬくぬくの僕の衣を見て!」

と、自慢げなネコヤナギ。

 

山桜が咲く頃には

厚い衣を脱ぎ捨て

淡い緑の葉っぱの薄衣に変わる。

 

それはまるで

青年になる前の

まだ首の細い少年の様だ。

 

一生のうちで

一番美しい時だとも知らず

呑気そうにして・・・