友さんの柴漬け

友さんの柴漬け
友さんの柴漬け

村の奥さん達は漬物名人だ。季節、季節によって,大体4種類の漬物を漬ける。ここらで言う「どぶ漬け」のぬか漬けから、紫蘇で赤く染める柴漬けまで。そのどれもが本来の漬け物の味がする。

素材は無農薬の野菜、山菜。後は新鮮なヌカと塩だけ。化学調味料等とんでもない。味に深みを出したい時は昆布を加える。

これで何十年も漬け物を漬け続けている。

 

今、夏に余る程出来た夏野菜、茗荷に紫蘇を加えて漬けた柴漬けの季節。どのお宅から頂いた柴漬けも甲乙つけがたいおいしさである。塩と時の助けを借りた本物の発酵食だ。

このあたりは、茄子は勿論の事、長唐辛子、茗荷、それに歯ごたえが楽しいソウメンかぼちゃなるものを加える。

 

80代であっても腰も曲がっていない女性や、70代で腰も足も背中も指も曲がっている女性。そんな方達の柴漬けは、頂く時も、刻む時も、食べる時も、有難く感じる。

60代で御主人を亡くされた女性。「何をするのも嫌だ」と言っておられたのに、今年は綺麗な紫蘇色の柴漬けを頂いた。時間というものは、少しずつ悲しい思い出を消し去るものだ。

今年の梅干し
今年の梅干し

どぶ漬けや白菜漬けには情熱を感じない私だが、梅干しは漬ける。毎年3キロ。減塩をしない塩辛い梅干しを喜んでくれる友達以外は、誰も私の梅干しを欲しがらない。友達のお裾分けの分を除けば、大体3キロを一年で消費する。

 

炊きたてのご飯に紅色に染まった塩辛い梅干しを入れたおにぎり。本当においしい。

秋明菊
秋明菊

長く居座った夏から,急に秋がやって来た。3年前に村の奥さんから頂いた秋明菊が、今年は株も太くなり満開である。

 

木から木へとシジュウカラの群れが飛び交い,歌い、小屋の前を車やバイクが疾走する。

静かな様な、うるさい様な、そんな秋の山里だ。