睡蓮が咲き、蓮が咲き

平良の蓮の花
平良の蓮の花

うちの小屋から歩いて5分。睡蓮と蓮の花が咲く場所がある。田圃だった所を何年も前に蓮池に変えたアキさん。

 

この季節になると、京都の花屋さんが蓮の花を買いにくる。ずっぽり泥につかり、蓮の花を切っている花屋さん。アキさんは知らん顔で「好きなだけ切って帰れ」なんて言ってるらしい。

大きな灰緑色の葉っぱ、淡いピンクの花びらの蓮を愛でる余裕は花屋さんにはない。汗みどろだ。

 

気品を漂わせ、かつ、愛らしい花。葉の形は大らかで、この葉で食品を包んで蒸す料理はアジアの知恵だ。泥に埋まった蓮根は、どのように調理してもおいしい。

 

風に揺れる蓮の葉達。大きな波の様にうねり、風を運んでいる様に見える。

平良の睡蓮
平良の睡蓮

蓮の葉とは対照的に睡蓮の葉っぱは太陽の光を受けテラテラと光っている。水面を埋め尽くした葉の間に、淡いピンクの睡蓮の花が咲いている。

 

この睡蓮の上を赤とんぼがスイスイと飛んでいる。ついこの間まで、忙しく飛び回っていた燕。いつの間に故郷に向けて旅立ったのか。

 

高貴な風情の蓮の花、村娘のような睡蓮の花。

冷たい山の霊気を吸いながら、時には霧に包まれ、そして赤とんぼを休ませ、この山奥の平良で静かに咲いている。


コーヒーゼリー
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