去年の暮れ31日に40センチ程の雪が降り、それからは2日程青空が見 え太陽の光が小屋の中まで射し込み、屋根の雪が溶けながら落ち、私達は窓近くまで迫ったその雪をせっせと取り除く。すると又雪が絶え間なく降り続け、又 60センチ程積もる。2日程すると又青空と太陽が顔を出す。そして、又屋根から落ちた雪や車の上や周りにどっさり積もった雪を落とし雪かきをする。今年の 冬はこれの繰り返しだ。
フリースやウインドブレーカーを着ていても、5分も雪かきをすると汗をかく。お天気になると、1日3、4時間を雪かきにあてる。運動不足になる冬場、いい運動だ。
根雪になって凍った雪で滑り、油断しているとズボッと雪の中に膝の上まで入ってしまう。スリル満点の毎日である。
屋根の下の木の箱や段ボールの箱に保存してある大根や白菜。これ等も凍って冷凍庫状態だ。小屋の中に使う分を入れておくと又元の状態に戻る。何ともこれが不思議だ。そのおかげで毎日たっぷりの野菜を食べている。
果物も同じ所に保存してある。リンゴもみかんも一日に食べる分だけここ から取り出す。何故かリンゴやみかんは凍らない。
数日前、リンゴの箱を開けて驚いた。彫刻刀で器用に刻んだ様にリンゴがかじられている。姫ネズミだ な・・・。見事なものだ。残された「作品」を今度はどのように仕上げて行くの か楽しみにしている。
少しだけかじられたリンゴは砂糖、シナモンと煮てリンゴのケーキを焼いた。
アトリエで仕事をしていると、何か気配がする。ふと下を見ると親指程の姫ネズミがピョン、ピョンと跳ねて横切っている。
隅の方でゴソゴソ音が聞こえる。
流しの下から現れ、夫に気づきあわてて引っ込む。
夫は毎晩作業台の上に、クルミやアーモンドを一欠け置いておく。朝には完食されている。「もっと沢山置いておけばいいのに」と私が言うと、「ねずみ算式に繁殖して、肩や足に乗ってこられたら大変」と笑う。
後一ヶ月は続くであろう雪に埋まる毎日。
そして3月、この雪が溶け始め、冷たい針畑川の水が琵琶湖に流れ込む。琵琶湖深く流れ込んだ水は湖を良好な状態に維持し、琵琶湖の生物を育てる。
京都で飲んでいた水道の水が、この針畑川に由来するとは思ってもみなかった。