「初恋のきた道」ギョーザ

「初恋のきた道」風ギョーザ
「初恋のきた道」風ギョーザ

10年程前、チャン・イーモウ監督の「初恋のきた道」を見た。チャン・イーモウの映画の中で唯一好きな作品だ。チャン・ツィーが桃の花かレンゲの花の様に愛らしかった。
映画の中でチャン・ツィーが好きな人の為にギョウザを作る。中国の田舎の質素な台所。実に手際よく料理する。それにも感心した。そして、その作られたギョーザは大きく、鉢に山盛りにして好きな人に持って行く。何とおいしそうだろう、食べてみたいと思った。

それ以来、私はギョーザは皮からうちで作る。強力粉を熱湯でこね、ねかし、伸ばす。具は何でも、あるもので。青菜、人参、ショウガ、ごま油、醤油は必ず入れる。ニンニク、ニラは使わない。
延ばした皮にそれらの具を包み、熱湯で茹でる。醤油、砂糖、カイエンペッパー、チキンコンソメ、酢、ごま油でたれを作り、それをつけて食べる。市販の皮で作ったギョーザの3倍はあるのを二人して30個。

この話を友達にメールした。するとすぐに友達から返事が来た。「「初恋 のきた道」のギョーザは水ギョーザではない、蒸しギョーザです。具はきのこ。うちでもよく作る」。私は驚いた。あの映画を見て食べたいと思った人がいたな んて。それ程印象深いシーンだったという事だろう。
友達が来ると言えばよく作る。これを食べた人は必ず皮がおいしいと言う。「ホームメイドのギョーザは皮を食べるんですね、具はなんでもいい」と言った若い人もいた。

私がギョーザの皮を伸ばしてる間に、桃の花のようなチャン・ツィーはスッカリ大人の俳優になっていた。
ギョーザを入れた鉢を持って走っていたあの可憐さはどこかに行ってしまい、別人のようである。
 

「初恋のきた道」
「初恋のきた道」

ケーキ「グーゲルホップ」
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