甘くない柿

 

三個の柿を器に入れ テーブルの上に置いた。

大きな柿で それらが窓から射す陽の光を受け

深とした静物画のようだ。

 

「全然甘くない」と悲しそうな顔をして

チャックが持って来たこの柿は

チャックが言う渋柿ではないと思う。

まだ固く 色も浅く 香りがない。

長い目で この柿の成長を見守ろう。

甘くなれば嬉しいし そうでなくてもいい。

 

今日も 雲ひとつない気持ちのいい1日だった。

ピンク色の藤袴(フジバカマ)が群れて

時おり吹く強い風に みんなで揺れた。

 

近くの道路脇の温度計が 8度を表示していた。

夕方に私は ライトダウンのジャケットを着て

ぬくぬくと心地よかった。