小さく狭い世界

 

輝く朝陽に喜んだのに

昼を過ぎると 又 今日も小糠雨だ。

 

少しずつ 雪を溶かす雨と思えば

いいかも知れない。

 

屋根から落ちる雨垂れは絶え間なく

北風は強く吹き付け

私は 外に出て行く事もなく

小屋の中で過ごした。

 

小屋を取り巻く山の木々は

雨の白い靄に覆われ

雪解けの水を集める川は

音を立てて流れ去る。

 

ガラス窓から見えるのは 静かな動かない世界で

時折走る車の音と姿に 嬉しくなる。

 

薪の燃える音 やかんの湯がたぎる音

淹れたての紅茶の湯気。

今日の私は こんな小さな狭い世界の中で生きた。