「花開くのは あと一息」

 

まだまだ 厚い雪に囲まれている。

暖かい陽射しに 溶け出した雪の層が見える。

ゆっくりと歩いた 鹿の足跡もある。

 

川の上を 4羽の鴨が飛んで行く。

馬酔木(アシビ)の蕾の房が 

「花開くのは あと一息」と言う。

 

山の斜面 苔に溜まった雪の

溶けて落ちる雫が輝く。

空には 雲が流れて行く。

 

行きつ戻りつの季節の移り変わりを

注意深く見つめ その音を聴こう。

 

明日は雨が降るらしい。

静かな雨であって欲しい。