「孤独の発明」 ポール・オースター著  本当にこの本を読んだのか?(2)

「孤独の発明」
「孤独の発明」

 

30年前の本のページをめくり

私は本当にこの本を読んだのか?という

不思議な感覚を先日書いた。

 

その日から読み始め

そして昨日

「やっぱり 私はこの本を読んでいた」

 

主人公であるオースター(著者でもある)

亡くなった父の遺品整理をしている時に

現れた一枚の写真。

その箇所を 私は覚えていた。

そして 忘れていたストーリーが

次々へと思い出された。

 

本の中で語られる

なぜ父は家族を愛する事が出来なかったのか

なぜ 家族に無関心であったのか。

 

その疑問が 遺品の膨大な写真 

手紙によって明かされていく。

 

人それぞれが抱えている 心の中の一部分

闇とまではいかない ぼんやりとした灰色。

半ば私小説に近いオースターの文は

読者が共感を覚えるのに充分だ。

 

「孤独の発明」ポール・オースター著 本当にこの本を読んだのか?