絵本「いぬとふるさと」 文・絵 鈴木邦弘

絵本「いぬとふるさと」
絵本「いぬとふるさと」

 

2011年3月11日

東日本大震災が発生した。

福島第一原発は 津波により 制御不能に陥った。

 

そして 3月19日。

帰還困難区域に指定された 

双葉町の住民1000人以上が

さいたまスーパーアリーナへ一時避難した。

 

それから数ヶ月後 著者の鈴木邦弘さんは

動物愛護センターで 1匹の柴犬を引き取った。

さいたまスーパーアリーナ迄一緒に飼い主と来たが

飼い続けることが出来なくなった双葉の人が

泣く泣く手放したと鈴木さんは推測した。

 

その柴犬「わたし」と著者「おじさん」

震災から4年後の2015年に

二人は被災地双葉町へと足を運んだ。

 

おじさんと一緒に 一路福島へ。

 

双葉町 細谷海岸
双葉町 細谷海岸

 

北に見える中間貯蔵施設エリア。

事故前は 沢山の魚が釣れた。

 

双葉町 新山
双葉町 新山

 

特定復興再生拠点区域。

東京五輪に間に合わせるかのように解体が進む。

「解体」が復興と呼ばれる 不思議な町。

 

双葉町のある一軒家 特定復興再生拠点区域
双葉町のある一軒家 特定復興再生拠点区域

 

廃屋の中にある犬小屋。

原発事故で辛酸を舐めたのは 家畜やペット

動物たちも同じだ。

 

双葉町郡山 中間貯蔵施設エリア
双葉町郡山 中間貯蔵施設エリア

 

福島県中から「汚染土」が運び込まれる。

中間貯蔵施設の建設が追いつかないので

多数の仮置き場が作られている。

膨大な汚染土を全部貯蔵するのは不可能と言われている。

 

双葉町郡山 「マリンハウスふたば」から浪江の請戸海岸をのぞむ
双葉町郡山 「マリンハウスふたば」から浪江の請戸海岸をのぞむ

 

夜は漆黒に包まれ 

海岸沿いでは 廃炉作業に追われる

福島第一原発だけが 煌々と光っている。

*写真の下の文は 絵本の中の鈴木邦弘さんの文の抜粋です。

 

 

絵本の内容は 深刻で社会性が強い。

しかし

可愛い柴犬がナレーターとなり

双葉町を走り 立ち止まり 見つめる。

その姿に 嬉しくなる読者も多いだろう。

 

私たちが忘れてはならない 福島の原発事故。

著者の「おじさん」でもある鈴木さんは

この絵本の最後に書いている。

「他人事ではなく 自分事として ずっと考え続けていきたい」

 

*「いぬとふるさと」はamazonで購入出来ます。