春の味 菜の花を食べる

 

一日中 小雪が舞って 風の強い日だった。

首にマフラーを巻き ダウンのコートを着た。

暖かい。

 

これからも

冷たくて 寒い日が続こうと

もう春はそこに。

立春なのだから。

 

陽の光を浴びた 菜の花の蕾。

しっかりとした茎に 大きな濃い緑の葉。

 

その菜の花を さっと湯がき

厚揚げをフライパンで焼いて

からし醤油で サッと和え

薄い白磁の器に盛った。

 

硬く絞った菜の花に

厚揚げの油のこく

からし醤油の刺激。

 

ほろ苦い 菜の花の蕾を食べる。

それは まさに春の味だ。