本の整理 処分(1)

 

あるひと時

熱中して読んだ本の数々。

 

それらの本の整理をしながら

もう一度 読む事はないだろうと

次から次へと 机の上に積み重なる本。

 

文化人類学者の川田順造

アフリカ サバンナのオートボルタ(ブルキナファソ)で

文字を持たない民族を調査した人だ。

「文字を持たない」に興味を持った。

太鼓のリズムが 遠くまで様々な事を伝える。

そして

サバンナでの生活 歴史 民族の話も

誠実な文で綴られる。

精密 繊細な美しい挿絵は

同行した妻が描いた。

 

 

ポール・オースター

何冊か読んだが

スケールの大きな物語

どんどん読み進んだのが「ムーン・パレス」だ。

ニューヨーク マンハッタンの北にある

主人公の部屋から見えていた中華料理店

その名前が「ムーン・パレス」

「月飯店」「月館」とでも言うところか?

  

マンハッタンに行った時

バスに乗り コロンビア大学の辺りを

地図を片手に ウロウロと歩き回ったのは

ポール・オースターの世界を この目で見る為だった。

 

ポール・オースターは 映画も作っている。

「スモーク」「ブルー イン ザ フェイス」

ブルックリンを舞台に人生の機微を描いた。

私の好きな映画リストに入っている。

 

私の精神形成に強い影響を与えた本の数々もある。

それらは 今や擦り切れ

気の毒な状態になった。

しかし

これからも捨てる事はないだろう。

 

この本は処分しようか?と 思っても

当時の私がフラッシュバックする。

 

本は 作者の文字の羅列だけでなく

それを読んでいた自分が その中にいる。

そして

その当時の出来事までをも 私に思い出させる。

だから 簡単に捨てられないのだ。