村の山に分け入る(1)

私は山の中を流れる川に沿って点在する 

村の一つに住んでいる。

 

車の離合が困難な県道を 横に入れば

杉の人工林と 雑木の鬱蒼と茂る

深い山 森の世界だ。

 

山の仕事をしている「おとうと君」が

その深い山を案内してくれた。

 

そぼ降る雨の山の中 

ヒルに血を吸われるのを覚悟で

山の中に分け入った。

 

おもんばの滝
おもんばの滝

うちから車で20分走り

そして 県道を外れ林道へ入る。

雨なので 「おとうと君」の車を2速に落とし

滝を目指した。

 

神の宿る滝「おもんば」は

夏の終わりの 木の葉に囲まれて

静かに水が落ち 流れていた。

 

急な細い山道を登り 下の谷から滝の上へと

今でも続いている 年に一度のおもんば参り。

細々と続いているこの行事は

かつての人たちは信仰心から

今は伝統がさせているのではと私は思う。

 

 

山奥の細い道を辿り

滝に 信仰を見出した かつての村人達。

天災 人災

様々な災いを 滝という神に救いを求めた。

この深い山を歩き 辿り着いて

そして やっとその神秘性を 感じる事ができるのだ。