絶滅危惧種扱いの自家製栃餅

 

テーブルの上の白い皿に 大きな栃餅が五つ。

 

それの一つを 四つに切り

ストーブの上で こんがりと焼く。

 

ストックの缶詰から

井村屋の小豆缶を取り出し

缶切りで開ける。

 

白の鉢にたっぷりと

甘く煮た小豆を入れ

沸騰した湯を注ぐ。

 

その中に素早く放り込む

2個の小さな栃餅。

 

近くの山に自生する栃の木。

秋に山へ分け入り

栃の実を

袋にいっぱい詰め込んで帰る。

 

もち米も今年の秋に収穫したもの。

 

そんな手間入りの栃餅を 毎年5個

赤カブ 白菜の糠漬けとともに

届けて下さる タツコさん。

 

明日は 焼いた栃餅を

甘い砂糖醤油を絡めて食べよう。

 

豊かな山の村の食文化。

それを次世代にバトンを渡すには

余りにも便利になり過ぎた。

 

絶滅危惧種扱いの自家製栃餅を

今日 ありがたく受け取った。