赤い錆色のペンキ

 

青い空に雲が浮かび

ある時は雲ひとつない

見事な青空の一日だった。

 

風はすっかり秋の冷たさで

空気はからりとしていた。

 

光はススキの穂を輝かせ

そんな穏やかな秋日和

 

台風が近ずいているニュースと

この明るさとも落差。

 

夫が屋根のトタンに

赤い錆色のペンキを塗った。

 

二十歳前に信州を旅した。

その時に見た家々の屋根。

それが皆 錆色のペンキだった。

 

緑の風景の中で

その錆色はとても似合った。

 

以来 私の心の中では

トタン屋根の色は

錆色でなければならない。

 

その屋根が

台風で飛んでしまわないか

とても心配だ。