炭の燃える音

 

さて 昨日

トミ子さんから貰った炭。

早速夜にストーブにくべた。

燃える薪の上にそっと載せる。

 

パチパチと音をたてて

しびしびと小さな炎をあげて燃える。

 

炭が暖房手段だった子供時代。

家族が火鉢を囲み

みかんを食べたり餅を焼いたり。

ラジオを聞きながら

姉達の話す外国の俳優の話を

子供だった私はしっかりと聞いていた。

 

隙間だらけの日本家屋で

火鉢に炭だけの暖房。

きっと寒かったはずなのに

その記憶がないのは何故。

 

今の子供達には想像もつかないだろう。

生まれた時からエアコンがあり

自分の部屋を与えられて。

 

夜になれば

家族が一つの部屋に集った時代。

そして

火鉢と炭の文化が消え去り

ガスストーブから灯油ストーブ

そしてエアコンに暖房器具が移って行く。

 

その移り変わりの中で

家族の形も変わっていったと思う。

 

忘れていた炭の燃える音と色。

懐かしいがあの時代に帰りたいとは思わない。