夕焼け空にシャワーの様な雨が降る


「あげると言うものを断ってはいけないよ。

 次にくれなくなる」

と、20代の時にしっかり者の友達が私に言った。

 

ぼんやりの私は

友達のこの言葉に甚く感心した。

「なるほど」と。

 

あの日から幾星霜

友達はずっとしっかりしたまま年をとった。

 

先日、ケンジさんが

「ガラスの入った障子を要らないか?」

と、私に聞いた。

 

「誰かに要るかと聞いてみましょうか?」

と 年とった私は

こんなに上手く断る事が出来る様になった。

 

今日、トミ子さんが

「炭を貰ってくれんか?」と言ってきた。

30キロ用の紙の米袋3っつの炭。

60年 納屋に置いたままにしていた

とても上等な炭だ。

 

夕方

綺麗な夕焼け空にシャワーの様な雨が降った。

冷たい秋の夕べ

薪と一緒に炭を燃やすのもいいのではないか?

とても上質な楢の炭だ。