元気に逞しく生き延びておくれ

めったにお目にかかれない動物。

 

狐と兎。

 

もう何年も前

薄暗くなった夕方。

私が運転する車の前を

子犬かと思われる動物が

とことこ走る。

 

ヘッドライトを消し

ゆっくりと後を追う。

その小さな動物は

ピョンと石垣に飛び乗り

頭をこちらに向けて私を見た。

子ギツネだ!

 

ラディッシュの種を花壇に蒔いた。

柔らかそうに出揃った葉っぱ

と、思っていたら何かが食べる。

 

それを何回か繰り返していたある日

カフェオレみたいな色をした兎が

大きな耳を立てて

道の真ん中にちょこんと座り

なにやら考え込んでいた。

「おやおや、犯人はあんたなんだね」

 

それ以来

兎には出会えていない。

深い山の中でどうしているの?

 

土に埋めた生ゴミ

深夜の決まった時間に掘り返しに来る狐。

「大したものを埋めてなくてごめん」

 

逞しい動物達

元気に生き延びておくれ。