姿を現した寺

 

山の中の

川に沿って出来上がった集落。

そのひとつひとつにお寺がある。

何百年もこの地に住み次いでいる人達は

お寺をとても大事に思っている。

 

私の住んでいる集落の寺は曹洞宗永平寺の末寺だ。

廃校になった小学校が取り壊されると

その寺は姿を現した。

 

背景は杉と広葉樹の山

寺の横に柿の木

前に銀杏の木。

 

緩い坂道を歩いて行くと

今は野の花が満開だ。

黄色の花、白い花、薄紫の花

そして

萌えるような緑の草。

 

川の流れと

鳥達の鳴き声。

私の足音に気づき

急に吠え始めた犬の声が

遠くに聞こえる。

 

長閑な真昼。

 

まるで農家の様な寺の姿は

明るい陽の光を浴びて

とても魅力的だ。