「あ、もぐら・・・」

 

雪が融け始めた土の上を歩く。

靴の下がふんわり。

長い列の様な土の盛り上がり。

 

「あ、もぐら・・・」

 

今日はシジュウカラ

木蓮の枝に止まった。

 

薪の湿った所に

ヒルがへばりついて

動いている。

 

北から灰色の雲が

ぐんぐんと押し寄せる。

すると

霧の様な雨だ。

 

山里の冬は静かだなんてとんでもない。

ダイナミックに変化するけど

目を凝らさないと見えないだけだ。