70年生きた栗の木

 

80才を過ぎたタイチさんが

子供の頃から知っている2本の栗の木。

 

それが

21号台風で根から倒れた。

 

「薪にしないか?」と言うお知らせが来て

夫は軽トラにチェーンソーを積んで出かけた。

 

栗の木は薪には向かない

と思い込んでいる集落の人達。

 

囲炉裏で栗の木を燃やすと

それは大変な事になる。

パチパチと火花がはぜて

畳が焦げたり燃えたり。

 

だから

「薪には楢が一番だ」と。

 

でも大丈夫。

ストーブの中でパチパチと幾らはぜても

固い栗の木はとてもいい薪だ。

 

その上

焼き栗の香りまで小屋の中に漂うんだから。

 

「ありがとう」

よく乾いた薪で

次の冬も暖かく過ごせると思う。