小さな二つの塊

 

小入谷峠(おにゅう峠)に辿り着くには

鯖街道に沿って

車が通れるように削られた細い道を

くねくねと登っていく。

 

削り取られた崖は

大雨が降れば崩落し

車は通行止めになる。

 

道に餅菓子のあられを撒いた様に

散らばった小さな岩や石。

 

広がる青い空と

自分の息づかいだけが聞こえる空間で

その小さな岩を手にとり

太陽にかざしてみる。

 

これが私の住んでいる

地球の一部なのか?

 

キャラメル程の小さな塊の中の

ガラスの様に光る石英

金色に光る鉱物の斑点

錆色の何か。

 

ズボンのポケットに入れた。

 

机の上の小さな2個の塊。

この小さな地球に住む私とあんた達は

ちょっとした家族の様な物だ。