本の中の「食」

 

 

ソローの「メインの森」

4フィートの長さの木が何本も焚かれている

牛を一頭丸ごと丸焼きに出来る程の大きな暖炉。

カバ ブナ カエデの薪。

19世紀 アメリカ メイン州奥の

森の中の農場で出された豊かな食事に

私は舌なめずりをした。

 

まずはホヤホヤの熱い小麦粉のパンケーキ。

農場の産物のハム、玉子、じゃがいも

牛乳、チーズ。

たらと鮭、糖蜜で甘くした茶

甘いケーキ。

ヤマコケモモをとろ火で煮て甘くしたもの。

 

「贅沢貧乏」森茉莉

冷蔵庫を持たない森茉莉

氷を入れたジャーに

トマトを冷やしていた。

缶詰のハムとスライスしたトマト。

 

玉子をことの外愛した森茉莉

キノコ入りオムレツ

刻みパセリ入りオムレツ。

 

大草原の小さな家

たっぷりのバターで黄金色に炒めたじゃがいも。

そば粉のパンケーキ。

まだ青いカボチャをリンゴの代わりに使ったパイ。

カボチャの上に少しの酢を回しかけた。

 

「スペンサー」シリーズ

ボストンの私立探偵スペンサー。

本の中に登場する料理を集めた

クッキングブックが出版される程

スペンサーは料理をした。

 

火は弱火。

フライパンにソーセージを入れ

滲み出て来る油で

厚い目にスライスしたリンゴを共に焼く。

たっぷりのマスタードで食べる。

 

そして

うちの晩ご飯の一品。

 

豚の唐揚げ、満願寺唐辛子と人参の素揚げ。

これたをスライスタマネギたっぷりの甘酢に漬け

上からミョウガを散らす。

体調が狂いがちな夏から秋においしい。

 

本の中に登場する料理と私の一品。

唯一の共通点は分厚く重い鋳物の

開拓時代から使われているフライパンだ。

 

私は特別食いしん坊ではないが

本に登場する料理は

頭の中に沢山ストックされている。