「森の妖精」ヤマネ

やまねの冬眠
やまねの冬眠

小さなアトリエには、南と東に窓がある。お天気のいい日にはそこからお陽様が射し、ストーブに薪を2、3本放りこんでおけば暖かい。

 

そんなアトリエは ”森の妖精”ヤマネにとってもきっと居心地がいいのだろう。

梱包用の新聞や発泡スチロールのパッキンを入れていた箱の中で、埋もれたようにしてヤマネが眠っていた。冬眠である。「こんな所で寝ていられては気がきでは無い、どこかに引っ越ししてもらおう」と、小さい箱に移した。そこは、窓から暖かいお陽様が注ぎ込んでいる。玉子くらいの大きさ。空気の様に軽い。りっぱなヒゲにフサフサのしっぽ。

ヤマネは小さな口を開けあくびをした。前足をもぞもぞ動かし,何とも寛いだ様子だ。

 

テレビや写真でしか見たことがなかったヤマネ。「まあ、まあ、よくぞお越し下さいました。あなた方は枯れ葉を敷きつめた木の洞にでも住んでおられると思っておりましたよ。よりによってウチのようなあばらやに・・・こんな所でよろしければ、どうぞ暖かくなるまで御滞在下さいませ」

 

段ボールの小さな箱に、新聞やら発泡スチロールやらを隙間なく入れ、そこに引っ越ししたヤマネ。夫がアトリエの高い棚にその箱を置いた。

 

 

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2014.2.5(水)
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