春を想って

表に干しているふきんがバリバリに凍っている。そんなに寒いのかなあと思う。雪もひらひらと灰色の空から舞い降りる。

 

夫はここ数日、隣の集落の方からドッサリ頂いた太い杉の丸太を、薪用にチェーンソーで伐っている。来年用の薪になる。

休みもせずチェーンソーの音が響く。「雪が降る迄に何とか片付けないと」と言う夫の声の様な音だ。

 

昨日、村の奥さんから頂いたニューヨークレタス、サニーレタス、キャベツの苗を植えた。二人住まいには多すぎる苗を義務の様に植えて行く。

石灰を撒き、鶏糞を鋤き込んだ土。この土に根を張り、レタス達は永い冬を雪の下で過す。春、雪が融け太陽を浴びるのを思いながら。

ミントは寒くなっても青い葉を茂らしている。

時折、ミントの葉を摘み湯のみに入れ、熱い湯を注いで飲む。特別に好きな味ではない。しかし、緑の葉っぱが風に揺れて、小屋の中迄いい香りがする様な気がする。葉の形も,匂いも大好きな植物だ。

 

このミントももうすぐ雪の下で眠りに入る。