その家の器

我が家の器
我が家の器

ある日雑誌を見ていて驚いた記事に出合った。それは歌舞伎役者の市川猿之助の稽古場での普段使いの食器がドイツのマイセンのティーセットだという事だった。ケーキを入れる大きな長方形の皿は特別注文だったと記憶している。白い薄手の磁器に可憐なピンクの花が描かれているとても高価な器を稽古場で皆で使っているというのを知り、猿之助はお金持ちだろうけど、心も豊かな人なのかも知れないと思った。

知人で、ヨーロッパの有名な窯元のティーセットを、割れると困るので飾っている人がいる。陶器と言うものは高かろうが、安かろうが割れるものである。毎日使うものこそ自分の好みで選び、それを大切に使って欲しい。

 

よその家によばれてお茶やご飯をごちそうになって、その時に出された食器を見て感心した事がない。私が陶器を作っているから点数が厳しいのだろうと思われ るかも知れないが、そう言う事ではない。その家の食器を見れば、その家の人がどんな感性と品性の持ち主かが見えて来る。心の豊かさや貧しさまでも。

人を招待するという事は、気の小さい私には中々出来ない。

角皿に頭芋と揚げ
角皿に頭芋と揚げ