栗の木

栗の木
栗の木

前からこの木が好きだった。お隣さんの敷地に立っている。この木の側を小川が流れる。500m先からの車の音が聞こえる程静かなこの村。ゆっくりとした時の流れで、動いているのは群れになって飛んでいる野鳥だけだ。

この栗の木の後ろは杉の林で、ナラやクヌギの山へと続く。村の人は言う。「最近、猿や鹿が畑を荒らさない。山にドングリやクリが豊作みたいだ」

道からは見えない山の中で、沢山の動物達が木の実を食べ生きている。ある夕方、車を走らせていると、前をトコトコゆっくりと走り山の中に入った小狐。そして私をじっと見た。あの狐も、鹿も、猿も、いのししも、今年は山で暮らせるだろう。

木苺、山葡萄など季節毎に野生の果実は実り、茸は顔を出す。一つ、二つ木の実をつまんでは口に入れるが、私はそれを持ち帰らない。

それが山に住んでいる動物達に対するルールだと私は思っている。

栗の木の側の小川
栗の木の側の小川

毎日、青菜
毎日、青菜