広葉樹の美しい芽吹きの季節。
その輝きを文字で表すには 豊かな語彙力が必要だ。
悲しいかな 私のポケットには
指先で摘める程の言葉しか入っていない。
私の住む村に 室町時代に作られた庭園跡がある。
その跡を掘り起こし 整備し公園にした所は
豊かに広葉樹が立ち並ぶ。
庭園跡のそばを 車で通りかかった。
明るい日差しに木々の葉が輝き
冷たい北風に枝が揺れていた。
歩きやすく整備された庭園をぐるりと回ろう。
小川のような細い川。
伏流水が湧き出て 緩やかに蛇行し池に流れる。
ガサガサと音がする方を見れば
長いマムシが慌てて草の奥に消えた。
「ヒェー こんなのがいるのか」
と 私は足早にその場を立ち去った。
美しい林 人の手のかかっていない小川
秋の紅葉の頃に 又来たい。