木苺 野苺
この言葉の響きと字面。
日本語の美しさを感じる。
赤い実の木苺の
まだ若い実は固い緑だ。
白い花が満開に咲いていた時から
私は この木を見続けていた。
黄色の木苺は
草叢の間で ひっそりと実をつけている。
一つ 二つ 指でちぎり
口の中で プチプチとした食感。
私の侵入を遮る様な 膝丈の草叢。
刺を持った枝を 大きく広げ
その木にたわわに実る
赤や黄色の木苺。
「美しい」という言葉では物足りない。
「素朴で謙虚な逞しさ」では どうだろう。