私の住んでいる集落には
400年経った家がある。
くず屋葺きの屋根を
トタンで覆ったトミコさんの家だ。
太い柱や梁もその当時のまま。
襖が開けにくい等の狂いもなく
どっかりと建っている。
そんな家々の中で
ひと際目を引くのが
タイチさんの瓦屋根の家だ。
大きく広い屋根の上に
ちょこんと突き出た小さな屋根。
囲炉裏や釜戸の煙の吐き出し口として。
今は使われていないこの小さな屋根が
家に表情を与える。
綺麗に整えられた庭木
若狭式庭園と言われる石庭
そして
大きな屋根の上の小さな屋根。
家にも風格 品格があるのだと
この家を見るたび思う。