集落の家の周りに
梅、栗、柿の木が
必ず植わっている。
私にとっては
ただの実のなる木。
それが
この辺りの人達にとっては
とても大切な木であった事に
気がついたのは最近だ。
梅は梅干しに
栗はおやつに
柿もおやつと渋柿は干し柿に。
閉ざされた雪の季節の食の為。
買い物が困難だったかつての日々の
それぞれの役割 実用があっての実のなる木。
そして
村の人は近所の柿が
どれくらい甘いかまで知っている。
庭先には雪の季節を除けば
花が満開でこれは仏壇の為。
必要なものの殆どが
家の周りで手に入るように代々受け継がれ
四季を通じて庭や畑を彩る。
雪の中に立つ柿の木に
一つ二つ残った赤い実さえも。