川は軽やかに流れて

 

ひな祭りの三日の朝。

 

水たまりは凍って

植物の上には霜が降りた。

 

太陽が山の向こうから顔を出すと

あちらこちらから

蒸気の白い靄が立った。

 

午前中に京都に出かけた夫。

山道の途中でスリップしたと

昼過ぎに帰宅するなり報告した。

 

「おお、恐ろしや」

 

雪でまだ遊べると

チャックは子供や友達を連れて

やって来る。

 

川は音も軽やかに流れ

シジュウカラは群れで

賑やかに飛び交う。

 

冬ごもりしていた私は

土の中から顔を出す

まるで虫の様な気分だ。