カワガラス

カワガラス
カワガラス

凍った道路を

そろそろと、転けない様にと歩いていると

「チッチッチ」とカワガラス

 

川の上を小さな黒い体で

ピューッと飛び

雪の岩の上にピタッと止まる。

 

「おお、お久しぶり。 

 私は小屋の中でくすぶっていましたよ」

と、挨拶をする。

 

カワセミの様に美しい瑠璃色の羽も持たず

うぐいすの様に褒められる様な声も持たず

セキレイの様に上手に尾羽を動かす事もせず

ただひたすら

弾丸の様に川の上を飛び

直角に谷に向かって曲がる事が出来る。

 

「ただ、それだけですよ」と

謙遜なのか、自慢なのか・・・

 

そんな面白いカワガラス

私は大好きなのだ。