凍った道路を
そろそろと、転けない様にと歩いていると
「チッチッチ」とカワガラス。
川の上を小さな黒い体で
ピューッと飛び
雪の岩の上にピタッと止まる。
「おお、お久しぶり。
私は小屋の中でくすぶっていましたよ」
と、挨拶をする。
カワセミの様に美しい瑠璃色の羽も持たず
うぐいすの様に褒められる様な声も持たず
セキレイの様に上手に尾羽を動かす事もせず
ただひたすら
弾丸の様に川の上を飛び
直角に谷に向かって曲がる事が出来る。
「ただ、それだけですよ」と
謙遜なのか、自慢なのか・・・
そんな面白いカワガラスが
私は大好きなのだ。