「ヒルに血を吸われた。
タラコみたいに大きいやつに」
と、タイチさんが騒いでいた。
私も数日前
ズボンの裾のシミに気がついた。
足首に血の固まりと血の跡。
うちの集落はヒルがいないはずだった。
でも最近
知らない間に腕にくっ付いていたりする。
夕方立ち寄った「弟君」。
隣の集落の山に入った時
ヒルの襲撃にあい
山仕事をやって行けるのかと悩んだ。
「山で行き倒れたら
ヒルの大群に血を吸われて
貧血で死んでしまうんだろうね」と私。
「行き倒れるなら砂漠がいい。
カラカラになる方がいい」と言うと
なんで行き倒れに話が飛ぶのかと
弟君と夫が呆れた。
赤いボルボ女子からメール。
うちから車で8分程の村での夏祭り。
「私はそこでトウモロコシを焼いています。
猪汁も無料ですよ」だって。
「ライフルマン」が
上からぽとぽとヒルが落ちて来る
と言うその村に
夫と弟君と私は
勇気を持って行って来る。