怪談よりも怖い話

午前7時半
午前7時半

 

ヒルに血を吸われた。

 タラコみたいに大きいやつに」

と、タイチさんが騒いでいた。

 

私も数日前

ズボンの裾のシミに気がついた。

足首に血の固まりと血の跡。

 

うちの集落はヒルがいないはずだった。

でも最近

知らない間に腕にくっ付いていたりする。

 

夕方立ち寄った「弟君」。

隣の集落の山に入った時

ヒルの襲撃にあい

山仕事をやって行けるのかと悩んだ。

 

「山で行き倒れたら

 ヒルの大群に血を吸われて

 貧血で死んでしまうんだろうね」と私。

 

「行き倒れるなら砂漠がいい。

 カラカラになる方がいい」と言うと

なんで行き倒れに話が飛ぶのかと

弟君と夫が呆れた。

 

赤いボルボ女子からメール。

うちから車で8分程の村での夏祭り。

「私はそこでトウモロコシを焼いています。

 猪汁も無料ですよ」だって。

 

「ライフルマン」が

上からぽとぽとヒルが落ちて来る

と言うその村に

夫と弟君と私は

勇気を持って行って来る。